本当にあった、怖~い恋活ツアー
○ゾンビ体験プログラム「アイアムアヒーロー!カップリング恋活ツアーin 伊豆」
アウトドアサークル「DO-PAL」が年に1回開催する 「ゾンビ体験キャンプ&恋活カップリングツアー」
全国から50人もの男女が集まり、バーベキュー大会や楽しいゲームを通じ、カップルが誕生するという、大人気企画のひとつ。
その会場に初めて僕は参加した。
参加者は総勢50人。そのうち20人が女性。費用は男性が15000円、女性はなんと無料。
静岡県伊豆にある温泉露天風呂付きコテージがツアーの目的地だ。
関東方面からの参加者は20名。
関東メンバーは新宿駅西口前で集合しマイクロバスに相乗りし、関西・名古屋組と現地で合流することに。
関東勢はヒゲゴジラ似の中年男性がリーダー「通称:安さん」。そして初めての参加という新人男性と、20代前半と思しき女性が7人。
車中、たくさんの女性から告白される夢から覚めると、そこはすでに目的地だった。
泊まるコテージは、相模湾が一望に見渡せる高台に建っている豪華コテージ。
ふとそこに置かれたツアーのレジュメに目が止まる。
めくると「ゾンビに注意」「女性との連絡先交換はカップルになった人だけ」など細かい規則が…。
このサークル、いったい何?
初めて全員が揃ったところで、バーベキュー大会が始まった。
男性参加者の多くは20代後半から40代前半といったところか。女性の方は反対に20代前半~後半まで。けっこう可愛い女性が多い。
しばらくして主催者と思しき50代半ばの男性が現れ、本日の進行スケジュールを告げられる。
「本日は、アイアムアヒーロー!!恋活カップリング&ホラー体験ツアーin 伊豆に、お集まりいただきありがとうございます。
今日の開催にあたって、若干の注意事項がございます。
本日の企画は、あくまでもカップリングゲームでございます。
途中、ゾンビに感染した人たちが、皆さんを襲いますが、決して隣の女性を盾にして逃げないでください。
映画化にもなった人気漫画「アイアムアヒーロー」のように、か弱き女性を庇って食われて下さい。
食われた人は、喜んでもうその場で死んで頂きます。
さて、ゾンビに対して、やってはいけない6つの掟があります。
それは何かと言いますと、
その1、ゾンビに対して火で攻撃してはいけません。
昨年、ろうそくの火を投げた人がいましたが、ゾンビが火傷を負います。まして火事になって余計危険です。
その2、ゾンビに対して感傷的になってはいけません。
ゾンビに襲われ、家族や友人がゾンビになってしまうことはよくあることです。しかし、そこにいるのは家族ではなく群れをなしたゾンビでしかありません。ゾンビは感情を持ったりはしないので、ちょっとでも感傷的になってスキを見せるとエサにされるか、あるいは仲間にされてしまいます。
その3、外に出てはいけません。
ゾンビは外にもウヨウヨ出没します。明るいうちは現れませんが、暗くなるととたんに襲ってきます。だからこのBBQ会場も明るいうちは良いのですが、暗くなるととたんに現れるので、早い目に切り上げて部屋の中でゲームを行いたいと思います。
その4、ゾンビに存在を知らしめてはいけません。
ゾンビの耳は平均以上の認識力があるようです。携帯電話の着信音で気付かれることがあるので、携帯はマナーモードにしておきましょう。
その5、嫌なやつになってはいけません。
ゾンビ映画を分析したところ、いわゆる「嫌なやつ」が最後まで生き残る可能性は4.3%しかなかったそうです。ということは、常に嫌なやつと行動を共にすることで、自分が生き残る可能性を飛躍的に高めることができるわけです。さもないと、自分自身が「不運なキャラ」の役割を果たすことになってしまいます。
また嫌な奴はすぐ死ぬのが、世のルールみたいです。 ゾンビから見て、あぁ、こいつ嫌な奴だな?と思ったらターゲット絞って襲ってきます。特に女性に対し、メルアドや、LINEのIDをやたらしつこく聞いて来たりすると、 ゾンビが察知します。
という風に、やたらゾンビの事を語りだしている。
まぁ、ゾンビなんて作りものだろうし、ホラー体験って言ったって、所詮子供だましみたいなもんだろう。
っと、たかをくくって隣にいる佐野ひな子似の女性に語りかけた。
「どこから来たの」
「東京の八王子から」
「え、近いじゃん、俺、三鷹」
八王子と三鷹じゃ、けっこう離れているんだが、同じ中央線の地元の話に話題が咲き、彼女と打ち解けてきた。
「何か、暗くなるとゾンビが出るみたいよ」
「大丈夫だって!作りものだろうし、襲ってきたら俺が守ってあげるよ」
酒の勢いもあってか、だんだんと二人はアツアツムードに!
しばし夜も更け辺り一面は暗くなり、その分、伊東の街明かりが鮮やかに浮かび上がり、辺りムード満点。
ほどよく、いいムードになってきたのだが…。
彼女といいムードでしゃべっていると、
「ギャー、ゾンビが現れたー!!」
悲鳴とともに現るゾンビの群れ。
何だこりゃ、バーベキューどころの騒ぎじゃない。
あたりはすべてデンジャーエリア。
コテージにサイレンが鳴り響く。ミッションスタートである。
みんなキャーキャー騒ぎながら部屋に逃げ込む。
わずか5分。再びサイレンが鳴った。
「感染者が発生しました、感染者が発生しました」
無表情なアナウンスとともに、リビングに戻ってきた参加者はみな疲れ切り、笑顔のカケラもない。噛まれた跡のあるメンバーもいる。何があったのか? たった5分でハツラツとした若者たちが終電のサラリーマンのようにやつれ果てる、BBQエリアにいったいどんな恐怖が待ち受けていたのか?
それに俺と話していた「佐野ひなこ」似の彼女もいない。
不安と好奇心が振り子のように揺れ動く中、またしてもサイレンが鳴った。再びゾンビが部屋まで襲ってきたのである。
方々から聞こえる唸り声! 血だらけのメンバーが現れる。ゾンビだ! しかし魔手をくぐり抜けなければ、感染してしまう!噛みつかれたら終わりだ!
俺と一緒に参加した極真空手黒帯の山本君、そうだ山本がいた。行け、山本、ゾンビと戦え! 女の子たちは、我々が死守するぞ!
さらに舞台の端から女ゾンビが現れた。迫ってくる女ゾンビ! 山本が中段に構える。
岩をも砕く極真空手の正拳突きが炸裂か?
「オーマイガッ!」
弱い! 山本、あっという間にゾンビに捕まり、噛まれている。というか、食われている! 山本、キミの戦いは無駄にしないぞ!
ふと女ゾンビを見ると、なんと、俺と話していたあの「佐野ひなこ」ではないか!
彼女を銃で撃とうとするメンバー。
「やめろ、撃つな!」
彼女の前に立ちはだかる俺。
「いて、いててててて!!」
彼女が俺の首筋に噛みついたのだ。
その後はどうなったのか判らない。意識が薄れて行く中、俺は誰かに抱えられていったのだけは覚えている。
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